ホグワーツに行きたい!

いつかホグワーツから招待状が来る、そんな日を夢見て書いてる暇つぶし。

みかん

秋はみかんが美味しい。いや、秋というにはまだ早いか、と思ったらもう10月だった。この前まで滅入ってしまうような暑さだったのに急激に寒くなってきて、あと数年もしたら日本から四季は失われて夏と冬しかなくなるんじゃないかとさえ思う。いわゆる“春”や“秋”という言葉から想起されるようなふんわりした陽気を感じる日はもうほとんどなくなってしまった。

話を本題に戻そう。そう、秋はみかんが美味しい。みかんといってもあのとびきり青色のやつだ。冬に食べるまぶしいような橙色のやつではなくて、秋は黄色と緑が混じったような小粒のみかんがスーパーの店頭に並ぶ。400円の出費は一人暮らしの貧乏大学生にはちと痛いが、青々しいみかんはそれも仕方ないと思えるくらいには甘酸っぱい。外に出ても夏か冬かしかなくて、毎日Tシャツを着るかパーカーを着るかを悩むような日々だけれども、家で座ってあの青いみかんを食べているときだけは秋を感じられる。

長いようで短かった(あまりに月並みな表現だが)夏休みが終わり、大学が始まった。夏休みを通じ完全に崩壊した体調と生活リズムは毎日欠かさずキレートレモンを飲んでいるにもかかわらず回復せず、それに反して多忙な日々が続いて気がついたら訳も分からず10月になっていた。急に増えた授業(結局まだ一回しか行けていない)とバイト、サークル、免許学校、その他遊びでスケジュール帳はギチギチになり、ゆっくりする時間が減ってしまった。予定が詰まっている感覚も嫌いではないのだが、もともと家でボケーっとアマゾンプライムビデオを見ている時間が何より大好きな怠惰な人間なのでなかなか疲れがたまる。家でゆっくりできるのはたいてい23時以降で、その時間帯は映画やドラマを見るにはちょっとしんどい。シャワーを浴びて、キレートレモンを飲んで、みかんを食べながらアマゾンやメルカリを徘徊したり、眠っているたまごっちを眺めているのが最近の過ごし方だ。やっぱりその時間が一番落ち着く。何も考えずスマホやパソコンをいじりながら、何も考えずみかんの皮をむき、頬張る。パソコンの右側に積み上げられたみかんの皮の山を見て謎の満足感に浸りながら目覚ましをかけて眠りにつく。

大学構内に嫌がらせのように植えられている銀杏も秋を教えてくれているのかもしれないけど、東京で僕に秋を感じさせてくれるのはこの青いみかんだ。あと1,2ヶ月したらスーパーの店頭はきっとあの橙のみかんでいっぱいになるんだろうけど、今はこの青いみかんを目一杯楽しもう。そして冬が来たら、今度は嘘みたいに橙色になったみかんをまるで元からそんな色であったかのように頬張ろう。

 

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