ホグワーツに行きたい!

いつかホグワーツから招待状が来る、そんな日を夢見て書いてる暇つぶし。

好きなものはなんですか

「将来何になるの?」「最近何してるの?」「なんでそんなバイトしてるの?」「サークルは何やってるの?」「そのサークルに入っているのはどうして?」

「うるせぇ!!!」と叫びたくなる。だが叫んでも仕方ない。一部の大学生のコミュニティではしばしばこのような質問が飛び交い、それに自信を持ってはっきりと答えられない人間は『何も考えず生きているつまらない人間認定』されかねないのだ。

「なんのために生まれて、なにをして生きるのか。答えられないなんて、そんなのは嫌だ!」みたいな、やなせたかし的価値観を共有した世界がそこには形成されている。まあこれはいささかひねくれたものの見方かもしれないが、周りの大学生や社会人と話しているとこんなことを聞かれることは実際多い。ゴールから逆算して行動の「なぜ」を考える重要性を否定する気はさらさらないし、なんならめちゃくちゃ大切なことだとは強く思うのだけれど、生きづらい世の中だなぁと苦笑いしたくなることもある。高校生までは「楽しいから」「好きだから」「そこにあったから」「ナニモカンガエテマセン」とさえ答えれば「いいね!!」と返ってきたような質問が、大学では同じ言葉を答えれば「ふーん、そうなんだ…。(つまんね)」となりかねないのだ。もちろん思考が高校生のままでいいとは全く思わないしそういった質問を投げかけられることで良い内省の機会になることも多いが、僕みたいなちゃらんぽらんはこうした質問をされるとしばし詰まってしまう。

「へー、今東大の2年生なんだ。将来は何やるの?」

「え…、いやまぁ色々あってまだ考え中ですかねー。(何も考えていない)」

「あ、そうなんだ。(バイバイ)」

みたいなやりとりを今まで何回繰り返してきただろう。大学生が築くべきものの一つに人脈があると思うが、どれだけ面白い人と知り合う機会を得ても、自分がこれではすぐにつまんないやつ認定されてせっかくの機会を生かしきれず終わることがほとんどだ。これはあらゆる交流会的な場に対して言えることだが、ファーストインプレッションでどれだけインパクトを与えることができるかでその日の成果は決まる。僕はこれが苦手だ。サークルやクラスみたいな、継続的に何度も集まるコミュニティで打ち解けて人と仲良くなるのは苦手ではないのだが、一度きりの交流会で友人を作るのとかは本当に無理だ。その原因は「コミュ障」と「チキン」に集約されるのだが、まあ見た目の冴えないぐるぐる天パクソメガネがボソボソと「将来のことは特に考えてないです…」とか言ったところで惹きつけられる人間など一人もいないことは火を見るよりも明らかだろう。

このままじゃいけない。さすがの僕もそう思った。将来の夢なんてそんな簡単に見つかるののではないだろうが、とりあえず何か自分の興味分野や好きなことを見つけ、それを突き詰めてみるといった作業が必要らしい。別に崇高な目的や大志が必要な訳ではない。「好き」なことは誰も否定できないし、好きなことを全力でやってる人はかっこいいし楽しそうだ。僕もまずは好きなことを見つけてみよう。以上が僕が「好きなものはなんですか」という井上陽水的問いにぶち当たった経緯である。夢の中へ行きたいところだがそうも言ってはいられない。

「自分の好きなこと、やってて夢中になれることってなんだろう…」

そう考えたときに最も納得のいく答えが「ものを書くということ」だった。昔から本を読むのは好きだったのだが、読むだけでなく書くのも好きだった。小4の時に書いた作文は学校代表に選ばれ謎の市の広報誌に載ったし、小学校高学年の頃には自作の需要のないバカみたいな小説を書いて、勝手に教室の棚に置いていた。自由帳に汚い字で書いた(執筆)原稿を手で破り(印刷)、セロハンテープで止めて(製本)、本棚に並べる(出版)のである。あまりにアナログなぺらぺらの自費出版本はクラスの後ろの棚にかいけつゾロリズッコケ三人組シリーズと一緒に並んでいた。優しい一部のクラスメイトたちはそれを読み、感想を僕に伝え、次回作を待ってくれていた(?)のだが僕はそれがとても嬉しかった。その内容は今もなぜかかなり覚えているが、あまりに下品でチープなのでここではやめておこう。また、小6の時には先生に直談判して「新聞係」という新しい係を作って、クラス新聞を発行していた。ものを書いているときは夢中になれたし、それを読んでくれる人がいるのが何より嬉しかった。小学校の頃の夢は新聞記者だったし、小説家になりたいなぁと本気で考えたりもした。

中学以降そうした機会は減り、なんとなく楽しく生きる日々が続いたが、大学生の今、自分がやってて楽しいことを考えたときに、「ああ、やっぱ自分は何かものを書いてる時間が好きなんだな」というのを再認識した。別に物書きを職業にしようと思っているわけではない。ただ、(例えばこのブログみたいに)自分の思っていることとか日常を発信したり、日々の考えを適当に綴って思考を整理したりするのは楽しいし、そこから気づきを得ることもあるので続けていきたいなぁと思う。最初に挙げたような問いの答えにはなっていないかもしれないが、「楽しいから!好きだから!」というだけの理由も時には良いと思う。「なんでだろう」「どうなるんだろう」「んご」なんて考えすぎて、疲れちゃうくらいなら、とりあえず楽しいことをやってればいい。そう思います、はい。だからこのブログももっと更新できればなぁと思います、はい。

 

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